脳卒中Cerebrovascular Disease
脳卒中とは
脳卒中とは、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と、血管が破れて出血を起こす「脳出血」や「くも膜下出血」などを総称した病気です。
脳卒中を発症すると、身体機能や言語機能が失われ、場合によっては死に至ることもあります。
脳卒中は治療が遅れると命に関わるだけでなく、重度の後遺症が残る可能性が高くなるため、早期発見と早期治療が非常に重要です。初期症状のサインとして「顔の麻痺・腕の麻痺・言葉の障害」があり、この3つのうち一つでも当てはまると50%以上の確率で脳卒中であるとされているため、躊躇せずに救急車を呼んだり、医療機関を受診することが大切です。
当院では速やかにMRI検査を行い、脳卒中の集中治療が可能な病院をご紹介できる体制を整えております。また、治療を終えてご自宅に戻られた後は、当院で再発予防の治療に対応します。
脳梗塞
脳梗塞は脳の血管が詰まったり、細くなったりして血流が途絶え、十分な酸素やエネルギーが供給されず脳の神経細胞が壊死してしまう病気です。動脈硬化や心臓の不整脈による血栓が原因となります。一度壊死した神経細胞は元に戻ることはありません。つまり、脳梗塞が完成してしまうと運動麻痺や言葉の障害は改善しないということです。しかし早期に治療すれば元通りになる可能性があります。後遺症を残さないように「顔の麻痺・腕の麻痺・言葉の障害」の症状の一つでもあればすぐに医療機関を受診しましょう。
主な原因
脳梗塞には動脈硬化により首や頭の中の動脈が細くなることで起こるタイプと心臓でできた血栓が脳の血管に詰まるタイプがあります。前者は高血圧や糖尿病、高脂血症など基礎疾患を持った方に多く、後者は心房細動という不整脈がほとんどです。また発熱や脱水など体調の変化が発症のきっかけになることもあります。
主な症状
- 顔の麻痺
- 腕の麻痺
- 言葉の障害
この3つのうち一つでも当てはまると注意が必要です。
また上記以外に顔、手足のしびれやめまい、歩行障害などがあります。
検査
脳梗塞の診断にはMRI検査が最も有用で小さい脳梗塞も見つけることができます。また脳や首の血管を同時にみることができるため動脈硬化がないか評価できます。さらに心電図検査で不整脈のチェックをすることが必要です。
治療
脳梗塞は早期治療が大切です。緊急治療(点滴で血栓を溶かしたり、カテーテルで血栓を除去して詰まった血管を再開通すること)ができれば症状が改善し、場合によっては全く元通りにできることもあります。
脳梗塞を発症した場合、進行や再発を予防するためには原則入院が必要です。症状の安定後はリハビリテーションによる回復を目指します。
脳出血
脳出血は、脳内の細い血管が破れ、血液が脳の組織を破壊しながらしみ出してしまう状態です。多くの場合、高血圧や動脈硬化が背景にあります。「顔の麻痺・腕の麻痺・言葉の障害」の症状のほかに突然の頭痛や吐き気がみられることもあります。出血量や部位によっては、意識障害や呼吸異常を起こし、命の危険を伴うことも少なくありません。脳梗塞と同様に早期に治療すれば軽症で済む可能性があるので症状が一つでもあればすぐに医療機関を受診しましょう。
主な原因
最大の要因は高血圧です。長期間の高血圧により脳内の小動脈が脆くなり、破裂しやすい状態になります。
その他にも、脳動静脈奇形、血管腫、腫瘍、外傷などが原因となることがあります。
主な症状
- 突然の激しい頭痛
- 片側の手足の麻痺やしびれ
- 意識の低下
- 嘔吐・めまい
症状の現れ方は出血部位によって異なり、適切な治療を選ぶ上で非常に重要な判断材料となります。
検査
脳出血の有無や範囲を確認するため、MRIやCTを用いた画像検査を行います。状況に応じて即日または予約での対応が可能です。
治療
治療は、出血の量・場所・症状の重さによって異なります。大量出血の場合は外科的手術(開頭術や内視鏡手術)を行うこともありますが、出血が少ない場合は薬物療法や安静を中心とした保存的治療を行います。
降圧薬や脳の腫れを抑える薬を使用し、症状の安定後はリハビリテーションによる回復を目指します。
くも膜下出血
くも膜下出血は、脳の表面にある血管(脳動脈瘤など)が破れて、くも膜の下に出血が広がる疾患です。
発症時は「今までに経験のない激しい頭痛」が突然起こり、吐き気や意識障害を伴うことがあります。命の危険を伴うことが多いため、早急な対応が必要です。
脳動脈瘤(血管にできたコブ)破裂が原因であるケースがほとんど(約90%)で、当院のMRI検査では破裂する前の動脈瘤を見つけることができます。もし動脈瘤が見つかった場合は破裂する前に手術を受けてもらい、将来のくも膜下出血を予防することができます。脳動脈瘤を400例以上手術した実績のある院長が手術適応や紹介先について説明します。
前兆症状
- 突然の激痛を伴う頭痛
- 「今までと違う」頭痛が数日続く
- 血圧の急上昇
- 吐き気やめまい、視覚異常(ものが二重に見える)
- 朝方や入浴後など特定のタイミングでの頭痛
発症の際は、突然の強い頭痛、今までに経験のない痛み、または頭痛が次第に悪化していくなどの症状を伴うことがあります。さらに、手足の麻痺、意識の低下、言葉が出にくい、しびれ、めまい、吐き気などが見られる場合には、早急な対応が必要です。特に「雷が落ちたような激痛」は、くも膜下出血のサインである可能性が高く、迷わず救急要請を行うことが重要です。


