頭痛Headache
頭痛外来
国民の3人に1人にあたる約4,000万人の方が「頭痛」に悩み、その原因はさまざまです。

当外来では、疲労・睡眠不足・ストレス・目の酷使などによる一過性の頭痛から、繰り返し起こる片頭痛や慢性的な頭痛まで、幅広いケースに対応しています。
頭痛の多くは命に関わるものではありませんが、なかには脳卒中や脳腫瘍など重篤な疾患が原因となっている場合もあります。これらを早期に見極めるためにまずは頭部MRI検査を行い、原因を明らかにしたうえで適切な治療へとつなげます。
片頭痛
現在、約800万人の方が日常生活に支障をきたす「片頭痛」を繰り返しているといわれています。片頭痛は単なる頭の痛みだけではなく、めまいや肩こり、消化器の不調を伴うこともあり、光や音、匂いに敏感になって吐き気や嘔吐を引き起こすこともあります。当院では、丁寧な問診と診察から頭痛の原因や特徴を突き止めます。治療はその人に合ったオーダーメードな薬物療法を提案し、同時に片頭痛に対して非常に有効な生活習慣の改善指導を経験豊富な「専門の看護師」が行います。
また、注射薬である抗CGRP製剤を希望される方には院内で専門看護師から安心して注射を受けてもらうことができます。
片頭痛の治療
抗CGRP製剤について
片頭痛の発症には、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という神経伝達物質が深く関係していることが知られています。抗CGRP製剤はこの物質の働きを抑える効果があり、片頭痛の発作を予防・軽減する新しい治療法とされています。自己注射可能な薬剤ですが、最初の何度かは専門看護師に注射してもらうことをおすすめします。当院では院内で安心して受けてもらうことができます。保険診療が適用されているものの、自己負担率3割の方で1回14,000円程度のお支払いが必要となる高価な薬剤であるため、導入には十分な相談が必要です。当院では専門看護師による丁寧な説明で抗CGRP製剤導入についてゆっくり相談していただくことができます。
抗CGRP製剤の特徴
- 発作回数を減らす効果が期待できる
- 従来の薬で十分な効果が得られなかった方にも有効な場合がある
- 月に1回の注射で持続効果
- 副作用が比較的少ない
抗CGRP製剤による治療が適している方
- 月2〜3回以上の片頭痛発作がある方
- これまでの治療で十分な効果が得られなかった方
- 内服薬の副作用が気になる方
- 予防的な治療を希望する方
頭痛専門看護師による生活習慣改善指導
片頭痛の治療で、内服や注射薬と同じくらい重要なものに生活習慣の改善があります。当院の頭痛外来では専門看護師による丁寧な説明と指導が受けられます。日常生活で意図せず行っている頭痛を誘発するような悪い習慣を改善してもらい、一方で頭痛を予防できるような良い習慣を心がけてもらうことで頭痛に悩まない本来の生活を取り戻してください。また医師より処方された内服薬の飲み方や飲むタイミング、注意事項などについても丁寧に説明させていただきます。
MOH : Medication Overuse Headache(薬物乱用頭痛)
頭痛薬を頻繁に服用し続けることでもともとの頭痛が悪化している状態です。片頭痛に対して専門的な治療を受けずに市販薬を多用している方に多くみられ、痛み止めを飲むほど頭痛が悪化するという悪循環に陥っています。まず原因薬を中止することが重要ですが、本来の予防薬を投与しても離脱症状も多く、乗り越えるには頭痛外来によるサポートが必要です。
治療法
基本は「原因薬を中止する」ことです。7割の方は中止後に改善しますが、再発を防ぐためには適切な管理が欠かせません。
片頭痛とMOHの合併
前述のように片頭痛とMOHが併発されているケースは珍しくありません。この状態は山火事に例えられます。
山火事状態では仮に片頭痛の薬によって片頭痛が改善してもMOHが存在するため頭痛は無くなりません。治療には併発しているそれぞれの頭痛の治療を同時に行う必要があり、初めは内服薬がたくさん必要になります。山火事に少しの水をかけても鎮火しないことと一緒です。大量の薬剤で一度鎮火しなければ頭痛はなくならず治療のスタートラインには立てません。一度鎮火すれば(一度頭痛がおさまれば)その後は本来の予防薬や生活習慣の改善にて投与薬剤も減らしていくことが可能となります。山火事を起こしている方(毎日たくさんの薬を飲んでいるのに頭痛がどんどんひどくなっている方)はぜひ当院に来院してください。まずは鎮火を目指し、その後の通院で頭痛に悩まない本来の日常生活を取り戻してください。
特別な頭痛:小児や妊活中・妊娠中・授乳中の頭痛
当院ではお薬の種類や投与量に注意が必要なお子さんの頭痛や妊活中・妊娠中・授乳中の女性の頭痛診療にも対応します。
小児の頭痛は成人と違って持続時間が短く、非発作時にはケロッとしていることが多いものです。仮病ではないので本人を責めないでください。下痢や便秘、腹部不快感などの消化器症状を併発しやすいので頭痛と気づかれないことも多くあります。早期に治療介入し、不登校にならないようにしましょう。また成人よりも生活習慣の改善が重要です。当院の頭痛専門看護師から指導を受けてください。
さらに妊活中や妊娠中、授乳中の方は赤ちゃんへの影響が心配で治療をあきらめて痛みを我慢している方が多くおられます。当院では安全に内服できる薬剤の種類や容量、内服可能なタイミングについて丁寧に説明します。また専門看護師による生活習慣の改善指導もお勧めします。妊活中や妊娠中、授乳中でも頭痛治療をあきらめないでください。
その他:緊張型頭痛、群発頭痛
緊張型頭痛
肩や首がよく凝る人に多く、頭全体が締めつけられるように痛むのが特徴です。肩や首のこり、ストレス、長時間のデスクワークやスマートフォン操作、疲労、睡眠不足、ストレスなどが要因となることが多く、頭が重い・ぼんやりするなどの違和感を伴います。
痛みは軽度〜中等度で、片頭痛のように運動によって悪化することはなく、むしろ有酸素運動など血流の改善により軽快することも特徴です。
治療法
鎮痛薬で改善する場合が多く、使用頻度が少ない場合は予防薬は不要です。
痛みが頻繁に起こる場合は、抗うつ薬による予防療法、ストレスマネジメント、リラクゼーション、理学療法などを組み合わせて治療します。
鎮痛薬の使いすぎは「薬物乱用頭痛」の原因となるため、服用は週に1〜2日にとどめることが推奨されます。
片頭痛と緊張型頭痛の併発
片頭痛と緊張型頭痛が同時に起こるケースも珍しくありません。
どちらの症状が主体かを見極め、両者に対応した治療を組み合わせることで改善が期待できます。
治療を続けるうちに頭痛のタイプが明確になることもあり、経過を追いながら最適な治療計画を立てていきます。
群発頭痛
目の奥をえぐられるような強い痛みが一定期間に集中して起こる頭痛で、男性に多くみられます。
発作は15〜180分ほど続き、毎日同じ時間帯に現れることが特徴です。涙や鼻づまりなどの自律神経症状を伴う場合もあります。
痛みのコントロールには専門的な治療が必要です。
治療法
スマトリプタン皮下注射(3mg)や酸素吸入療法が保険適用となっています。
めまいDizziness
めまいの原因
めまいとは、実際には動いていないのに、自分や周囲が動いているように感じる異常な感覚です。主に次の3種類があります。
- 末梢性めまい
- 内耳や前庭神経の障害によるもので、多くのめまいはこちらに該当します。
- 中枢性めまい
- 脳幹や小脳など中枢神経の異常によって起こるもので、脳卒中などが原因の場合もあります。
- 失神性めまい
- 低血圧、不整脈、貧血、低血糖など循環器や内科的要因によるものもあります。
このようにめまいの原因は耳や脳、循環器など多岐にわたるため、正確な診断が大切です。
末梢性めまい(耳の病気によるめまい)
代表的なものには、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎、突発性難聴などがあります。
これらはめまいに加えて耳鳴りや難聴を伴うことが多く、発症後1週間以内の適切な診断・治療が重要です。
中枢性めまい(脳の病気によるめまい)
脳幹や小脳に異常がある場合、浮動感やふらつきが主な症状となり、以下のような症状を伴うことがあります。
- 激しい頭痛、吐き気
- 手足のしびれや麻痺、歩行障害
- ろれつが回らない、物が二重に見える
こうした場合は、脳卒中などの可能性があるため、早急な受診が必要です。
失神性めまい(循環器・内科的要因によるめまい)
立ち上がり時のふらつきや意識の遠のき、貧血、不整脈、低血糖などが原因です。
これらは神経に異常がなくても起こるため、原因疾患を見極めたうえで適切な治療を行います。
めまいとMRI検査
当クリニックでは、問診で症状や発症状況を丁寧に確認したうえで、脳や神経に原因が疑われる場合にはMRI検査を行います。MRIは造影剤を使わずに脳や血管を詳細に撮影でき、短時間で脳卒中や脳腫瘍などを確認できます。
当クリニックは脳神経外科の専門施設として、脳に起因するめまいの早期発見・治療を行っています。耳や内科的原因が疑われる場合は、適切な専門医療機関をご紹介します。


